iPhone 16シリーズが発売されて、約3週間が経過した今日この頃。僕ももちろん購入して使っているが、今回はiPhone 15 Pro Maxを約1年使用して感じたことをまとめる。
iPhoneの初代が米国で発売されて、早16年が経過した。世界・日本のどちらでも人気があるスマホで、毎回予約が始まると争奪戦になるくらいだ。
筆者自身、2012年に発売されたiPhone 5からずっとiPhoneユーザーだが、ここ数年はAndroid端末も複数保有しており、iPhone以外の端末を使う機会もかなり増えた。Androidユーザー視点からも、iPhone 15 Pro Maxという端末を見ていきたい。
iPhone 15シリーズから充電端子がUSB-Cへ変更!
iPhone 15シリーズで1番大きな話題が、充電端子がUSB-Cへ変更になったことだろう。iPhone 1台で運用しているユーザーからするとそこまで大きな変更ではないかもしれないが、Android端末はUSB-Cケーブルで充電するノートPCを持ち運ぶ筆者的に、この変更は非常にありがたい。
従来はUSB-CケーブルとLightningケーブルの2本を携帯する必要があり、少し煩わしいと感じていた。また自宅でもそれぞれのケーブルをセッティングする必要があり、デスクの見栄えも良くなかった。
だが今回の変更で、これらの問題が一気に解決。また充電だけでなく、データの転送もUSB-Cケーブル1本で可能となったため、写真データをPCに取り込むのも簡単になった。
EUの規制が初めて役に立ったと感じた瞬間だ。
チタンフレームでより軽く。傷にも強くなったiPhone 15 Pro Max
iPhone 15のProシリーズは、本体素材が従来のステンレスから、チタン素材に変更となった。これにより軽量化と耐傷性が向上している。
大型のMaxシリーズで比較すると、iPhone 14 Pro Maxの本体重量は240g、iPhone 15 Pro Maxの本体重量は221gとなり、19gの軽量化となった。
たかが19gと思えるが、実際に持ってみるとこの差は大きい。特に長時間持ち続ければつづけるほど、19gの違いが効いてくる。やはり軽いのは正義だと改めて感じた。
アクションボタンでショートカットがより便利に
長年iPhoneの音量ボタン上部にあった、サイレントスイッチ(マナーモード切替スイッチ)は、「アクションボタン」というものに変更となった。15シリーズはProモデルのみ搭載されている。※16シリーズからは無印モデルにも搭載となった。
従来のサイレントスイッチは、スライド式のボタンとなっており、着信/サイレントの切替しかできなかった。しかし今回新たに搭載されたアクションボタンは、設定からショートカットを割り当てられるようになった。
カメラのシャッタースイッチとして活用したり、ボイスレコーダーを起動できるようにしたりと、色々な活用方法が可能だ。もちろん従来通り着信/サイレントの切り替えとしても使える。小さな進化ではあるが、使えばその利便性を実感できるだろう。
安定のパフォーマンスを叩き出すA17 Proチップ
iPhoneは14シリーズから、明確にProモデルと無印モデルでSoCに差をつけてきた。14以降のiPhoneは「Proモデルに最新のSoC」、「無印モデルに型落ちのSoC(1世代古いProモデルが搭載しているSoC)」となっている。※13シリーズでもProと無印モデルでも「GPUのコア数が違う」といった違いはあったが、基本的にProと無印で大きな違いはなかった。
ProモデルのSoCは、AndroidのハイエンドSoCである、QualcommのSnapdragon 8シリーズとベンチマークスコアで比較されることが多い。ガジェット好きはむしろベンチマークを見ていることが多いだろう。
Proモデルに搭載されているA17 Proチップは、2024年のハイエンドSoCであるSnapdragon 8 Gen3と同等以上の性能があるため、高負荷なゲームも快適にプレイできる。
高負荷なゲームである原神も120Hzでプレイが可能だ。
iPhone 15 Pro Maxの基本スペックは下記の通り。
本体サイズ | 高さ159.9mm × 幅76.7mm × 厚さ8.25mm 重量221g |
---|---|
SoC | A17 Pro |
OS | iOS 17 |
メモリ | RAM8GB(推定) ROM256GB / 512GB / 1TB |
外部メモリ | なし |
バッテリー容量 | 4,422mAh(推定) |
ディスプレイ | 6.7インチ(2,796 × 1,290) |
SIM | nanoSIM / eSIM |
望遠倍率の変更で、より扱いやすくなったiPhone 15 Pro Max
iPhone 15 Pro Maxでは、光学ズームの倍率が5倍となっている。全機種のiPhone 14 Pro Maxでは光学ズームの倍率は3倍だった。センサーそのものはiPhone 14 Pro Maxから変わってはいないが、強力な光学手ブレ補正により、5倍でも綺麗に撮影できる。
光学3倍が良いのか5倍が良いのかは好みの問題だが、個人的には遠くからでも被写体を大きく撮影できる5倍ズームの方が使いやすいと感じた。
広角カメラは全機種のiPhone 14 Pro Maxと同じ1.3インチのセンサーを引き続き採用。
4,800万画素という高い解像度を活かして、ノイズの少ない綺麗な写真が撮影できる。SoC性能の向上により、同じセンサーでも旧機種より綺麗に撮れるという印象だ。
カメラ性能の詳細は下記となる。
超広角 | 広角 | 望遠 | インカメラ | |
---|---|---|---|---|
画素数 | 1,200万画素 | 4,800万画素 | 1,200万画素 | 1,200万画素 |
F値 | F2.2 | F1.78 | F2.8 | F1.9 |
作例一覧
ここから作例を掲載する。作例は全て撮って出しの無加工状態で、撮影時のカメラ設定も全て初期値のままだ。
日中
広角(1倍)
4,800万画素という高画素のセンサーのおかげで、解像度の高い写真が簡単に撮影できる。
広角(2倍)
2倍ズームも画質の劣化を感じることなく、綺麗に撮影ができる。
超広角
超広角は1,200万画素と広角カメラと比べて画質は下がるものの、色味は安定している印象だ。
望遠(5倍)
望遠も超広角と同じく1,200万画素のセンサーを搭載。倍率が5倍なので、程よい距離感で撮影ができる。
ズーム比較
ズームに関しては10倍ぐらいまでが実用の範囲で、それ以上は画質の劣化が目立つ印象だ。
ポートレート
ポートレートは程よいボケ感で撮影はできるが、ピントが合わせづらく、コツがいるかもしれない。筆者の撮影が下手というのもあるが。
夜景
夜景は「ナイトモード」で、全て手持ちにて撮影。
広角(1倍)
広角(2倍)
超広角
望遠(5倍)
夜景も綺麗に撮影ができるが、しかし白飛びやゴーストは発生しやすい。特に大きな光源が映り込んでいると、写真全体が白っぽくなる。
またiPhoneのナイトモードは、PixelやGalaxyのように手動設定ができず、周囲の光量に応じて自動で切り替わる。ただし都会の光量が多い場所だとナイトモードに切り替わらない。
ナイトモードが手動で切り替えられるようになると、撮影の幅が広がると感じた。ここは今後のアップデートに期待だ。
良くも悪くもiPhone。平均80点の優等生スマホで面白みは少ない
他社メーカーのAndroid端末と比較すると、平均的で面白みには欠けており、ワクワク感は正直感じない。
多様なユーザーのニーズに合わせる必要があるため、OS含めて全ての項目が平均になりがちだと個人的には感じている。Xiaomi 14 Ultraのように「カメラ性能はずば抜けて良く100点だが、電池持ちは悪くて40点」というわけにはいかない。
またAppleのような上場している巨大な企業は、「売上や利益の最大化」が求められる。そのため「ニッチなユーザーに特化した製品を作る」といったことを株主が許さない。「1番売れるiPhoneを作る」という株主からの要望で、誰にでもおすすめできる平均的なスマホになってしまうのだろう。
しかしその代わり安定性は抜群で、基本性能もAndroidのハイエンド端末と同等以上であるため、万人にもおすすめできるスマホと言える。安さに釣られて格安のAndroid端末を購入しようとする人に対しては、無理やりiPhoneを勧めるぐらいだ。
この件は下記の記事を参考にしていただければ幸いだ。
為替の影響もあるだろうが、iPhoneの価格は年々上昇している。iPhpne15 Pro Maxは256GBで19万弱と、2年前のiPhone 13 Pro Maxの256GB(価格改定前)と比較して、4万ほど値上げされている。※16シリーズの価格は、15シリーズと同じで据え置きとなった
また今年話題のApple intelligenceも、iPhone 15 Proモデルはサポートされているため、わざわざ16シリーズを購入する必要がない。そのため、今年の9月に発売される16シリーズではなく、型落ちの15 ProやPro Maxを購入するというユーザーも多いはずだ。
もし今使っているiPhoneの買い替えを検討しているのなら、最新の16シリーズでなくとも、15シリーズのProモデルを中古でお得に購入することをオススメする。