Galaxy S24 Ultra長期レビュー!安定感は抜群。中古で狙い目の1台

Androidスマホと言えばGalaxyということで、今回はGalaxyのハイエンドモデルである「Galaxy S24 Ultra」を約10か月使用した感想をまとめていく。後継機種である、Galaxy S25 Ultraはすでに国内販売されており、そちらは別途レビューをする予定。

前機種のS23 Ultraから乗り換えるべきか、後継機のS25 Ultraを買うべきかについても記載しているので、参考にしていただければ幸いだ。

目次

チタンフレームで耐久性アップ!高級感も増したGalaxy S24 Ultra

S24 Ultraから本体素材が変更となり、従来のアルミニウムから「チタン」へと変更となった。これにより傷や衝撃にも強くなった。公式情報ではないものの、S24 Ultraのチタンは「グレード2チタン(純チタン)」が使用されているとのこと。※ちなみにiPhoneのProシリーズのチタンは「グレート5チタン(チタン合金)」と言われている。

電源・音量ボタンは、S23 Ultraと同様に右側面にあり、上部が音量ボタン・下部が電源ボタンとなっている。

本体底部には、USB-C端子・Sペン・SIMスロットが配置されている。SIMスロットは物理SIM1枚を入れることができる。eSIMにも対応しているため、デュアルSIMも可能だ。※ちなみにeSIM2枚でのデュアルSIMもできる。

S23 Ultraから引き続きSペンの利用も可能で、ちょっとしたメモを取る時に便利だ。スマホのキーボードは小さいので、ペンでサッと書いた方が早い場合もある。

フラットディスプレイに変更!光の反射も最大75%低減され視認性が向上したGalaxy S24 Ultra

S24 Ultraでは、画面がフラットディスプレイに変更となった。前機種のS23 Ultraはエッジディスプレイを採用している。

一般的にエッジディスプレイの方がベゼルを細くしやすいと言われているが、S24 Ultraのフラットディスプレイもベゼルは十分細く、S23 Ultraと比較しても、特段ベゼルが太いと感じることはない。

左がS23 Ultra・右がS24 Ultra

また今回、スマホの画面ではお馴染みのコーニング社の最新ガラス素材である「Gorilla Armor(ゴリラアーマー)」が採用されている。耐久性はゴリラガラスなので言うまでもないが、ゴリラアーマー最大の特長が「光の反射を抑える」点だ。

ゴリラガラスを製造しているメーカーのコーニング社は、ゴリラアーマーは一般的なガラス表面と比べて、光の反射を最大75%まで低減できると謳う。

しかし筆者は画面保護フィルムを装着しているため、このゴリラアーマーの恩恵を受けることができない。貼り付けたフィルム自体が反射してしまうため。

もしS24 Ultraに画面保護フィルムを装着せずに普段使いができる猛者がいれば、ぜひ一度その効果を試してほしい。

Google Pixelに続きAI強化。Galaxy AIでより便利になったGalaxy S24 Ultra

S23以前のシリーズにも提供されることとなったため、S24シリーズ独自の機能ではなくなったが、「Galaxy AI」はS24 Ultraの大きな特徴だ。代表的なものをいくつか紹介する。

かこって検索

「かこって検索」は、画面に表示されている調べたい部分を囲むことで、その中にある内容を検索してくれる機能だ。SNSで流れてきたけど、詳細がわからない画像などを検索する時に便利だ。

ただし人物の検索はプライバシーなどの問題から、検索できないようになっている。

テキスト通話

「テキスト通話」は、相手が喋る内容が画面にテキストとして表示され、こちらからの応答もテキストで行う機能になる。自分が応答として打ち込んだテキストは、合成音声となって相手に届けられる。自分が「直接話さず」とも電話ができるため、電車の中など声が出しにくい環境でかかってきた電話でも応対が可能になる。

リアルタイム翻訳

「リアルタイム翻訳」は、通話中のお互いの言語を翻訳できる機能になる。例えば自分が日本語で話して相手が英語で話す場合、こちらが日本語で話した内容が画面にテキスト化されて翻訳、それが合成音声で相手に伝えられる。逆もまた同じステップだ。

これにより、言語が通じない相手との意思疎通が可能になる。ただし、ゆっくりと喋らないと端末側での聞き取りが追いつかない可能性があるため注意が必要だ。

写真編集

画像編集機能では、画像の一部を切り抜いて切り抜いた背景を補完したり、被写体を認識して、大きさを変えたり、場所を移動させたりすることができる。Google Pixelの編集マジックに似た機能だ。

被写体を指でざっくりなぞると、端末側が被写体の境界線を識別して、ある程度自動で囲ってくれる。

元画像
編集後の画像

被写体認識の精度はそこそこ高いものの、余白の補完機能はまだ発展途中というのが、筆者個人的な感想だ。単調な背景が連なっていれば補完はそれなりにできるが、背景が複雑な場合、補完しきれず、不自然な形で背景が生成されてしまう。

今回説明した以外にも、下記のような機能がある。

  • チャットアシスト
  • ノートアシスト
  • 文字起こしアシスト
  • 閲覧アシスト
  • 写真編集の提案
  • 壁紙生成

詳細はSamsung公式ページをチェックしてほしい。

OS・セキュリティアップデートは最大7年保証!これまで以上に長く使えるGalaxy S24 Ultra

S24シリーズからOS・セキュリティアップデートの期間が最大7年となった。前機種のS23シリーズから3年延長となった(S23シリーズのアップデート保証期間はOSが4世代・セキュリティが5年)。昨年に発売されたGoogle Pixel 8シリーズもOS・セキュリティアップデート期間を最大7年としており、これに追従する形となった。

メーカーとしてはサポート期間を短くして買い替えを促したいところではあるが、それをすると「コスパが悪い」という印象がついてしまい、ブランドイメージを損なう。特に15万以上する高価な機種であればなおさらだ。※SONYのXperiaは、OSアップデート期間が2年ということもあり、19万もする機種としては「サポート期間が短過ぎる」という批判があった。

サポート期間が長くても各種パーツ(SoCなど)がそれに耐えられるのか?という問題はあるが、サポート期間が長いことによるユーザー側のデメリットは特にないため、素直に喜んで良いだろう。

Galaxy S24 Ultraは電池持ちと高性能が両立

全機種のS23 Ultraの時から電池持ちと性能のバランスは良かったが、S24では更に進化している。体感10〜15%ほど電池持ちが良くなったと感じており、普段使いでも明らかに違いを実感できるだろう。

SoCはGalaxy用にチューニングされたQualcommの「Snapdragon 8 Gen3 for Galaxy」が搭載されている。8 Gen2と比較して、CPUは30%、GPU性能は25%向上しており、性能不足を感じることはない。またAI処理で使うNPU(Neural Processing Unit)は、8 Gen2比較で98%向上しており、Galaxy AIの性能を底上げしている。

VC(ベイパーチャンバー)はS23 Ultraと比較して約2倍大きくなっており、SoCの性能向上に加えて冷却性能もしっかり強化されている。

ここまでの電池持ちと性能が両立しているAndroid端末は少なく、「Galaxy S24 Ultraなら後悔しない」と断言できるだろう。Galaxy S24 Ultraの基本性能は下記となる。

サイズ高さ162.3mm × 幅79mm × 厚さ8.6mm 重量233g
SoCSnapdragon 8 Gen3 for Galaxy
OSAndroid 14 One UI6.0
メモリRAM12GB ROM256GB/512GB/1TB
外部メモリなし
バッテリー容量5,000mAh
ディスプレイ6.8インチ(3,120 × 1,440)
SIMnanoSIM / eSIM

望遠倍率の変更で撮影しやすくなったGalaxy S24 Ultra

Galaxy S24 Ultraでは、望遠カメラの倍率が5倍となり、S23 Ultraの10倍から変更となった。5倍が良いのか、10倍が良いのかは人それぞれのため正解はないが、個人的には撮影しやすくなったと感じている。

10倍だと被写体が大きくなり過ぎるし、かといって3倍だと少し物足りないという場面が多い。もちろんデジタルズームで5倍撮影は可能だが、できれば劣化のない光学ズームで撮影したい。

S23 Ultraのカメラ

10倍以上の撮影だとS23Ultraの方が優れている場面もあり、好みが分かれそうだ。Galaxy S24 Ultraのカメラは前作のS23 Ultra同様に4眼構成となっている。各カメラの仕様は下記となる。

超広角広角3倍望遠5倍望遠インカメラ
搭載センサーIMX564(SONY製)ISOCELL HP2(Samsung製)IMX754(SONY製)IMX854(SONY製)S3K3LU(Samsung製)
センサーサイズ1/2.55型1/1.3型1/3.52型1/2.51型1/3.2型
画素数1,200万画素2億画素1,000万画素5,000万画素1,200万画素
F値F2.2F1.7F2.4F3.4F2.2

作例一覧

ここから作例を掲載する。作例は全て撮って出しの無加工状態で、撮影時のカメラ設定も全て初期値のままだ。

日中

広角(1倍)

メインセンサーが2億画素ということもあり、ノイズが少なく、解像感の高い鮮明な写真が撮影可能。実際の見た目より彩度が高く、鮮やかでSNS映えする写真に仕上がる印象だ。

広角(2倍)

メインセンサーの中央部分をクロップしての2倍のため、こちらも綺麗に撮影できる。画質の劣化を感じることは全くない。

超広角

超広角は適度な画角で扱いやすい。手ブレもしっかりと効いており、迫力のある写真が撮影できる。しかし画素数が1,200万画素のため、他機種の超広角と比べると、解像感は少し劣る印象だ。

望遠(3倍)

意外と出番がある3倍望遠。画素数が1,000万画素なのが少し時代遅れを感じるが、撮影する分には問題なく撮れる。色味が暴れるといったこともない。

望遠(5倍)

S24 Ultraから、望遠が10倍から5倍に変更となり、画素数も1,000万画素から5,000万画素になった。倍率は下がったものの画素数が5倍になったため、10倍で撮影しても劣化を感じることはほとんどない。

ズーム比較

0.6倍
1倍
2倍
3倍
5倍
10倍
30倍
100倍

S24 Ultraは全機種同様に、最大100倍での撮影が可能。ただ30倍を超えてきたあたりから画質の劣化が目立つ印象だ。100倍はあくまでも保存用といったところだろう。

ポートレート

ポートレートは非常に撮影しやすく、狙った形で仕上げることができる。個人的には、iPhoneのポートレートよりGalaxyの方が簡単に撮れると感じた。背景のボケ感もちょうど良い。

夜景

夜景は「ナイトモード」で、全て手持ちにて撮影。

広角(1倍)

全体的に白飛びとノイズを抑えながら、綺麗に撮影ができる。都心部のような比較的明るい場所であれば、露光時間は1秒ほどだ。

広角(2倍)

2倍も非常に綺麗に撮影ができる。しかし場面によっては、遠くの看板が白飛びしてしまう場合がある。それでも、普通に撮影する分には何の問題もない。

超広角

超広角は所々にノイズが目立つものの、比較的明るく撮れる。必要十分ではあるが、もう少し頑張って欲しいと言ったところだ。

望遠(3倍)

3倍望遠の夜景は、ノイズが出やすく解像度の荒さがかなり目立つ。手ブレの効きも悪いため、なかなか綺麗に撮影ができなかった。筆者が下手というのもあるが。。。

望遠(5倍)

3倍とは異なり、5倍はセンサーが変わったことによって、今まで以上に明るく綺麗に撮影ができるようになった。

トータルバランスは高いGalaxy S24 Ultra。ただしカメラ性能は、中華メーカーに一歩及ばず

Galaxyはスマートフォンとして評価するなら、間違いなくトップであると断言できる。ハード面はもちろん、ソフト面も丁寧に作り込まれており、One UIはiOSにも引けを取らない完成度だと筆者は感じている。「Android OSはiOSと比べて使いにくい」という印象を覆すと言っても過言ではない。

ただハード面に関しては、最近の中華メーカーの方が明らかに勢いがある。特にカメラ性能は中華メーカーの方がソフトのチューニングも含めて優れていると感じる場面が多い。

Xiaomi 14 UltraやOppo Find X7 Ultraなど機種には、SONYの新型1インチセンサーである「LYT-900」が搭載されている。ハイエンド端末の広角カメラに1インチセンサーを搭載するのは、もはや当たり前になった。

また望遠に1/1.4インチ2億画素という巨大なセンサーを搭載したVivo X100 Ultraのような望遠カメラにも力を入れた端末が出始めている。

一方のGalaxy S24 Ultraは、前機種のS23 Ultraと同じセンサーを採用したままであり、やはり見劣りしていると言わざるを得ない。もちろんカメラだけが全てではないし、前述の通り「スマートフォン全体」として評価するならまだまだGalaxyの方が完成度は高い。

しかしS23 Ultraで望遠最強と言われていたSamsungが、たった1年で中華メーカーに追い越されていく姿をみるのは少し複雑な気分だ。

Samsungを取り巻く環境は決して良いとは言えないが、「Androidのパイオニア」として、S25 Ultraでは底力を見せてほしいと願うばかりだ。

Galaxy S24 Ultraは前作のS23 Ultraから乗り換える価値はあるのか?

筆者自身S23 UltraとS24 Ultraの両方を所有しており、検証として両機種を使っているが、正直なところ、S23 UltraからS24 Ultraへ乗り換える必要性はそこまで感じていない。

もちろん進化している部分は少ないながらもあるため、進化ポイントがマッチしているのであれば乗り換えても良いとは思う。「チタンフレームが好き」「望遠5倍で使いたい」「フラットディスプレイの方が使いやすい」などだ。

しかし特にこだわりがないユーザーであれば、わざわざ乗り換える必要はない。今年の目玉機能であるGalaxy AIはS23シリーズでも利用可能だ。

最近のGalaxyは良くも悪くもAppleのiPhoneを模倣していると感じており、ハードの進化を最低限に済ませているように見える。「この戦略は間違っている」と言うつもりは毛頭ない。

ただ筆者のような、最新のハイエンド端末を毎年購入するユーザーからすると少し物足りなく感じてしまう。無理して買い替えなくても良かったのでは?と思う部分も多少ある。

S22 Ultra以前の機種を使っているのであれば、S24 Ultraへの乗り換えを検討しても良いだろう。

今からGalaxy S24 Ultraを買うのはありなのか

S23 Ultraからの買い替えは微妙と評価したところで、次はS25 Ultraが販売されているため、S24 Ultraをこのタイミングで購入するのはありなのか、という話について。

結論から言うと、程度の良いものが中古で10万〜12万前半程度で購入できるのであれば、S25 Ultraではなく、S24 Ultraを選ぶのもありだと考えている。記事執筆時点で、メルカリの中古相場は12万後半〜15万程度だ。

S25 Ultraは、S24 Ultraと比較して、超広角カメラの画素数が5,000万画素になったり、Sペンの仕様変更など、細かい部分の変更はあるものの、基本的な使い勝手自体は大きくは変わらない。

目玉のGalaxy AIもS24 Ultraで何ら問題なく使用できるし、余程使いこなすヘビーユーザーでもない限り、違いを実感するのは難しいだろう。

S25 Ultraへの乗り換えにあたり、S24 Ultraをメルカリで出品しているので、もし興味がある方はぜひ一度チェックしてみてほしい。

https://jp.mercari.com/item/m50367663154

※すみません、売り切れました。

販路も拡大し手に入れやすくなったGalaxy。iPhoneの牙城を崩せるか

Galaxyはこれまで一部端末を除き、国内でのオープンマーケットモデルの販売に消極的だった。しかしS24シリーズから本格的にオープンマーケットで投入し始め、Samsungオンラインストアで大々的に取り扱いが始まった。

さらに今年のS25シリーズは、販売時期がグローバルとほぼ同時期となっており、全色・全ストレージサイズともに購入が可能になった。日本市場におけるSamsungの本気度が伺える。

筆者のように、キャリア価格や2年縛りで購入したくないユーザーからすれば、公式オンラインストアでの販路拡大は嬉しい。「これを待っていた」と感じたユーザーも多いだろう。

日本のスマホ販売市場は、今でも「キャリア販売」がスマホ販売全体の◯割を占めている。そのため、オープンマーケットモデルはたったの◯しかない。規模が小さいため利益も確保しづらく、メーカーもなかなかオープンマーケット市場に参入できずにいた。

しかし2024年から流れが明らかに変わり始めている。Samsungをはじめ、Xiaomiも自社のハイエンドモデルであるXiaomi 14 Ultraを国内投入している。今年のXiaomi 15 Ultraの国内販売にも期待が高まる。選択肢が増えるのは、消費者からすると嬉しい限りだ。

今まで以上に手に入れやすくなったGalaxy。iPhoneからの乗り換えや、長く使えるAndroid端末を探している人は、ぜひ一度Galaxy S24 Ultraを使ってみてほしい。

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